豆知識ブログ

製本様式 vol.1

上製本と並製本

製本の基本を学ぼう

DTP制作物の名称と役割 VOL.1」の記事では、本や紙面の各部位の名称についてを紹介しました。
普段何気なく手にする本ですが、製本方法は多種多様です。
大きくは上製本並製本に分かれ、「コスト・納期・仕上がり」も変わってきます。
今回は、特徴やそれぞれの違いについて解説!
さまざまな製本様式を知ることで、制作の幅やアイデアが広がるので、ぜひ参考にしてくださいね。

1.上製本

特徴

上製本は、別仕立ての厚い表紙で本文をくるんで製本します。
厚紙の芯を用いた硬い表紙はハードカバーと呼ばれています。
表紙は本文よりひと回り大きいサイズで作られるため、本文をしっかりと保護でき、強度も高いので長期保存に向いた本に仕上がります。

DTP制作物の名称と役割 VOL.1」で解説した「チリ」のことだよ!天地ノド小口3mmずつが原則。

上製本の表紙

背の形態

 本のタイトルなどが入る「背(背表紙)」と呼ばれる部位の形状には、2つの特徴があります。
丸背製本 
 丸みを帯びた形状
角背製本
 四角い角ばった形状

作りたい本の用途や持っている雰囲気に合わせて選びましょう。

角背と丸背

また、背の形態には以下の4つに分類されます。
ホローバック
 背が空洞になっているため、本の開閉がしやすい。
タイトバック
 本文と表紙の背が接着されており、丈夫で壊れにくい。
フレキシブルバック
 辞書などで用いられており、開きやすいが背文字が見えにくくなる。「箔押し加工」をすると、落ちやすいので注意!

背の開き
例えば? 上製本がよく使われる印刷物

記念誌や卒業アルバム、写真集、小説、絵本、辞書などがあります。
保管性を重視した美術書から、耐久性が求められる身近な書籍まで幅広いのが特徴です。

point  長期保存を目的とした本や、上質な雰囲気に仕上げたい場合は上製本を選ぼう!

2.並製本

特徴

並製本はソフトカバーと呼ばれ、針金や糸、接着糊などで簡易的に綴じる製本方法です。
表紙は本文と同じか厚みのある紙が用いられます。

また、接着剤で綴じる「無線綴じ」や針金を使って綴じる「中綴じ」などいくつかの種類があります。綴じ方によって、仕上がりの形状や綴じることのできるページ数も異なってきます。
詳しくは次回の「製本様式 vol.2」で説明します。

並製本の背
例えば? 並製本がよく使われる印刷物

パンフレットやカタログ、雑誌、文庫本、参考書、ノート、手帳など多岐にわたります。
普段の生活でよく目にして、使われるページものの多くは並製本です。

point  コストを抑えてリーズナブルに冊子を作りたい場合は、並製本がおすすめ!

3.どちらを選べばいい?

上製本並製本
コスト製作費用はかかる低コスト
納期納期には余裕をもたせる短納期
仕上がり耐久性があり丈夫、高級感がある仕上がり繰り返しの使用に不向き
ほか長期保存に適している大量製作に向いている

一般的には長く保存しておきたいものは上製本製本のコストを抑えるなら並製本を選ぶのがいいでしょう。
並製本でも後加工によって、高級感をアップさせることも可能です。
もし製本についてお困りの場合は、お気軽にご相談くださいね。経験豊富な担当者が丁寧にご説明させていただきます!


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